コンピューターとマジにつきあう日々。
2008.09.10 11:40 pm
iMedioのセミナー「予算ゼロでWebサイトのユーザビリティを改善する」に行ってきました(2008.09.11:リンク先を内容が分かるところに変更)。講師はリクリのメンバーでもある小嶋新さん。TRANSの中のひと、と紹介した方がわかりやすいかもしれませんが。
タイトルから、ユーザービリティチェックの話をするのかなぁと思っていたら、もっと根本的で王道の話でした。「ユーザビリティとは制作プロセスである」というメッセージが明確で、具体例もわかりやすかったです。いたずらに抽象論や大規模案件の発想に行かず、地に足がついてる感じで説得力がありました。今回の参加者は制作側の人と発注側(運用側)の人が半々だったみたいですが、Web制作者はしっかり勉強すれば良いとして、運用側にいる人はどんな印象を持たれたんでしょうね。少しは希望が広がる方向に向いたのかなぁ。ちょっと気になりました(講演者でもないのに)。
質疑応答を聞いていて思い出したのが、私がCSS Nite Vol.7で話した時にも言われた「クライアントのレベルが低いときにどうしたら良いのか」系の質問。セミナー以外でもよく聞きます。コーポレートサイトぐらいしか発想がないとか、紙媒体からWebへの移植程度しか意識がないとか、そういうクライアントっていつの世にもいるもの。
私はCSS Niteの時は「クライアントを啓蒙する努力をすることが大切」と答えつつも「それでも通じないクライアントはお断りすることもある」ということも言いました。二人三脚ですからね。息を合わせてやるのが大事。でも引きずって走ってゴールすればいいのかというと、それもちょっと違うよね〜っていう。
ビジネスの観点で言えば、クライアントを選べる、クライアントに選ばれる存在になるというのも大事なんだと思います。別に変な意味じゃなくてね。お互いがお互いに敬意を持って、互いに十分に力を発揮してこそ成功事例になるというもの。確かに簡単なことではないですけど、そういう存在になることをまず目指さないと、という気はします。自分もまだまだですけど。
小嶋さんの話は、やっぱり随所にコミュニケーションをスムーズにするための配慮が感じられました。経験の中から学んでいくというか、うまくいかない状況をどうすればうまくいくようにできるのか、それを小嶋さん自身が考えた結果なんだろうな、と勝手に思いました。逆に言えば、自分の中で問題提起ができていないと、そうした随所の配慮に気付きにくいんじゃないかと思います。うーん、こればっかりはその人次第かなぁ。難しいですね。
2008.09.11 追記
小嶋さんが「まさか半々で制作者と運営者が集まることは露にも思っておらず、完全に制作者スタンスとして話してしまった」とブログでフォローされてましたが、私は参加前は運営側の人が大多数だろうなぁと思ってました。セミナータイトルからの想像ですが、まぁどっちとも取れると思いますし、受け取り方の違いは「制作時にユーザビリティを意識しているのは誰なのか」ということでしょうか。
ユーザビリティなんて考えたことない、というレベルの制作者はともかく、ユーザビリティとどう付き合えばいいかピンと来ない、という制作者は多いんじゃないでしょうか。私もその感覚があってセミナーを受講したわけですが、結果「本件のクライアントを知る、本件のユーザーを知る、本件のコミュニケーションが円滑になるよう配慮する」というアプローチを言及されていて、個人的には納得というか安心した部分がありました。偉そうに言えば、それって特別なことではなく制作の基本、デザインの基本というね。もちろんTipsというか、これから技術的な部分もしっかりと勉強しないといけないのはもちろんですが。
ユーザビリティ的なものをクライアント側(運用側)で意識している人は、おそらく全体で見れば少数派だと思います。あのセミナーに来られた方は意識の高い人と言っていいでしょうね。そういう人たちにとって、制作ワークフローの話は(制作会社の領域だから)関係ないのかというと、私はそうでもないかなと思っています。ワークフローの中でしっかりフォローするのは制作側であるにしても、サイト作りをどう捉えていくべきかは運用側も考えなければいけない部分です。それがないと結局丸投げみたいな感じになってしまう。私が「啓蒙も必要」というのはそういう意味です。
CSS Niteでも言及したような気がしますが、クライアントも学んで成長していかないと前に進めないのです。制作側はクライアントを学びユーザーを学んだうえで提案する、クライアントはそれを信頼して任せる、という構図はやっぱりバランスが悪い。クライアントだってサイトに絡むユーザーの行動を主体的に考えるべきだし、Webを知るべきだし、制作側のアプローチを少しずつでも理解しようとすべきです。だからユーザビリティはみんなの問題のはず。
こういうことを言うと「現実や現場の状況を無視した理想論」とか言われるわけですが(笑)、理想を胸に掲げるのは悪いことじゃないし、それでメシが食っていけるように考えていくというのが仕事ってもんじゃないですか。
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どうもありがとうございます。当日は会釈だけでろくにご挨拶もせずにすいませんでした!
自分が話した意図が正確に伝わっていてありがたいです。
http://d.hatena.ne.jp/aratako0/20080911/p1
にちょっと今回のフォローを書きましたのでご参照を。
あと、
> 「クライアントのレベルが低いときにどうしたら良いのか」系の質問
これ、悩ましいところですよね。もしかすると、その啓蒙活動も含めてユザビという定義づけもできるかもしれません。
って、すごく駆け足な書き方になってしまいましたが。
小嶋新|2008.09.11 9:44 am
いえいえ、こちらこそ。どうもおつかれさまでした。
フォローに触発されて追記しましたので、よかったらご覧ください。
hokuto|2008.09.11 12:06 pm
> クライアントだってサイトに絡むユーザーの行動を主体的に考えるべきだし、Webを知るべきだし、制作側のアプローチを少しずつでも理解しようとすべきです。
これは全くもってその通りです。もう少しWebに対して感性を持ってほしいというか何というか。いずれは生まれてすぐにWebがあるような若い世代が台頭していけばその状況も変るのかもしれませんが。
本当に色合いとか1pxずれるとか写真の角度がどうこうとかも大事なんですが、それとは別の違った視点でクライアントには提案をいただきたいものです。(それこそ、うちの顧客はこういう年齢層で、ネットはこういうふうに使っているから、こういうのはあまりいただけない、とか)
小嶋新|2008.09.11 1:23 pm